採用校の声

お話を伺ったのは

旭川市立大学

2023年に公立大学として認可され、旭川大学から旭川市立大学へと改称。ヒューマンケアのマインドや人間性などをじっくり養い、一歩先を行く保健・医療のエキスパートの養成を目指す。CS看護は2023年から導入し、当初3学年導入であったが、今年度は全4学年導入にいたる。第114回看護師国試では合格率100%を達成。

  • 成人看護学領域 准教授

    佐藤慶如先生

  • 成人看護学領域 助教
    国試対策担当

    奥原真仁先生

  • 情報はインタビュー実施時点(2024年10月)

写真左から、奥原先生、佐藤先生

学習状況の経過が見えない状態を「見える化」したカスタマーサクセス看護

導入前は「目をつぶって歩いているような」国試対策だった
佐藤先生

佐藤先生

「カスタマーサクセス看護」を導入する前は、目をつぶって歩いているような国試対策でした。学生が、実際にどれだけの時間を使ってどのように勉強を進めているのか、学習の経過が全く見えていない状態でした。模試の成績などで下位の学生を集めて、課題を出して勉強をさせていたので、教員は一方的に指導している感覚でした。
そんな中で、これまでの一方的な学習指導が双方向に切り替えられると感じたのが「カスタマーサクセス看護」の存在です。学生は自分で進捗を確認しながら学習を進められ、教員も学生の状況がわかり、それを踏まえて学生に関わることができる、というのがこのツールのメリットです。こんなサービスは他にないと思いました。
初めに導入に向けて声をあげて下さったのが奥原先生です。「カスタマーサクセス看護」は、ただ国試に合格するためだけのものではなく、教育支援ツールとしての良さがあるという説明をすることで、学科全体の理解を得ることができ、教員の足並みを揃えて導入できたと思っています。

奥原先生

奥原先生

コロナ禍を経て、学生が学校に来なくても勉強できるようにしたほうが良いと考えていたのですが、それまでは学生と教員がお互いに状況を確認できるものがありませんでした。また、将来的に学校での国試対策を廃止し、学生が自分で学習を進めていくようにすることを考えると、学生が自分で勉強を進められる環境を1年生などの早いうちから作っていかなくてはいけないなと考えていました。

1年間のトライアルで「カスタマーサクセス」の成果を実感
奥原先生

奥原先生

昨年は期中でトライアル開始となったので、「10分テスト」を2周設定して、補講では「先生のテスト」を使い、模試の結果が出たタイミングなどで学生と面談をしていました。国試直前の1月頃には、学生の状況を確認しながら「できるとこはいいから、ここ(苦手分野)をしっかりやろう」と具体的な関わりができたと思います。
「カスタマーサクセス看護」はポチポチ答えて、自分が間違ったとこだけやり直せるところが使いやすいので、学生はどんどん演習が進んでいました。
トライアルの期間を終えて本格的に導入するにあたり、学科内で同意を得るために、トライアル期間中に学生が「カスタマーサクセス看護」を使ってどれくらい演習を進めて、学校の国試対策授業の出席率がどれくらいで、国試の結果がどうであったかを改めて見直したのですが、やっぱり「カスタマーサクセス看護」での学習をやった学生は伸びてるという結果でした。

※先生のテスト:教員が第93回〜最新の看護師国家試験から自由に問題を検索してテストを作成し、学生に配信できる機能。

奥原先生

奥原先生

このツールのいいところは、それぞれの経過を把握できることだと思います。国試の結果だけでなく「この時期にはどれくらい問題を解いていて、どれくらい正解できている」というのをタイムリーに簡単に把握できることが一番の良さです。
これまでは模試の結果でしか学生の状況は把握できていませんでしたが、その模試も難易度が業者によって様々で、学生の状況が明確にはわからないという難点がありました。「カスタマーサクセス看護」は国試の過去問をベースとしているので難易度が安定していて、問題ごとの正答率もわかります。学生の学力を知りたいと思ったら、「先生のテスト」で20問くらいを簡単に出題してみる事もできます。例えば、1回目の模試で成績が凄く悪くて、2回目の模試で凄く良くなった学生については、普段の演習状況を含めて総合的に学生の学力を把握することができます。今までは落ちるはずないと思っていた学生が不合格になってしまったこともありましたが、「カスタマーサクセス看護」を活用すれば、一人ひとりの状況がよく分かるので、合格ラインギリギリの学生を取りこぼさないようになると思います。
他の学校も、以前いた学校でも、これがあったらよかったのに、と今になって思います。

「カスタマーサクセス看護」は自走する学習を支援しつつ、学生と教員がつながりを持てる
佐藤先生

佐藤先生

「個別サクセス」でメディックメディアから貰える資料の中にある、学生の演習状況に応じて色がつく図も凄く良いなと思っています。教員は学生の状況が一目でわかりますし、学生自身もこれを見ながら学習を進めていければ、学習の自走化を実現できると考えています。自走する学習を習慣化するために、2年生くらいから「カスタマーサクセス看護」を使った学習を始めるようにしていきたいです。

※「個別サクセス」についてはこちらの動画をご覧ください。

奥原先生

奥原先生

学生に自走を促す中で、学校に来ても孤立しているような学生には、私達は特に介入していかなくてはならないと思っています。学生どうしで繋がっていれば助け合えますが、そうではなく、国試の前に教員とも連絡が取れなくなってしまうような学生もいました。そうした学生でも、「10分テスト」の問題を解いている様子は確認できます。そこで、「頑張ってるね」とメッセージを送ってみると、学生から返事をもらえることがありました。学生は国試へのプレッシャーを感じて学校に来られないなどの背景があるので、このツールを使って、“学生ができていることを認める”というコミュニケーションを取ることで、学生とのつながりを保つことができました

低学年から「カスタマーサクセス看護」を活用した、新たな教育へ向けて

低学年のうちからこそ活用すべき「カスタマーサクセス看護」
奥原先生

奥原先生

2年生や3年生と比べて1年生の勉強への熱量は高いです。1年生のうちに、基礎看護学を学習する場面などで、いかに「カスタマーサクセス看護」と連動させた勉強を促せるかは大事だと思います。学校のカリキュラムが詰まっていて学生が国試対策と学校生活を両立することは大変なので、早めの対策が重要です。そのために、学生の自走を促し、関係を保ちながらサポートできる「カスタマーサクセス看護」は必要だなと思います。

奥原先生

奥原先生

2年生の授業では、後期に慢性期看護論と終末期看護論の授業の予定がありますが、「カスタマーサクセス看護」を予習に活用しようと思っています。解剖生理の問題を事前に解いてから授業を受けてもらい、また授業後に別の問題を出してみようと思っています。授業を全部真剣にきかなくても、事前に学習してわからなかったところなどをポイントに絞って授業を活用できるようにしてもらいたいです。例えば薬理の分野では、薬の名前を授業で1回聞いただけでわかるようになる訳ではなく、何回も聞いたり調べたりしてから理解するようになるので、教員としてはいかにして情報に触れさせるかが重要だと考えています。今まではその機会が授業の他には教科書しかなかったのですが、「カスタマーサクセス看護」を使って、調べないとわからない、と感じる体験を学生にしてほしいと思っています。

奥原先生

奥原先生

3年生は前期は授業、後期から実習が始まります。前期の授業で災害看護論の授業をした際に、113回の国試でトリアージの問題がでていて、過去にも同じような問題が何問もでていることを伝えながら「問題検索機能」で検索した試験問題の画面を学生に見せてみると、学生の興味関心が一気に上がったのがわかりました。授業の最後に、災害看護の問題を40問出題して、そこから15問を試験に出しました。約95%の学生が問題演習に取り組んで、繰り返し解いて試験の準備をしていたのが分かりました。こういった学習の経過も見られて、学力が伸びてるのがわかる、間違えているところも確認できる、結果として試験の成績も凄く高くて、良かったです。学生からも「国試につながる授業で凄くよかった」「自分の理解度が確認できた」「これをもっと活用してください」と好評でした。

佐藤先生

佐藤先生

このように授業で国試の知識を頭に入れた状態で、後期から実習に入ります。実習の前後でも国試の過去問を課題として出題しています。実習先に合わせて、大腸がんや胃がんの患者が多ければその内容と、基礎疾患や薬理など、勉強しておかなければならない内容を厳選して「先生テスト」で出題しています。実習前も学生はそんなに期間がないので、問題数は多くせず、その代わりきっちり勉強してほしいと考えて選んでいます。

奥原先生

奥原先生

問題を解いて考えてみると、学生はわからないということを自覚するので、それを実習の最後に復習してほしいと思っています。学生は実習で学び、実習を通してどれぐらいわかるようになったか、というのを確認します。実習でも、学生自身が学習する機会をどれくらい作れるかが教員の役割だと思います。実習課題は実習のための勉強だけではなく、国試にむけた勉強を実習と組み合わせられるように、と考えています。

奥原先生

奥原先生

今年度の4年生での国試対策では、「先生のテスト」で必修問題のトレーニングをすること、「10分テスト」を3周完了することをマストにしています。
必修問題は基本的に過去問から出題されるので、学生が「この問題みたことある」と思えるまでまずは過去問演習の量をこなすように指導しています。例えば、去年は学生に毎日必修問題を200問出題するというのを5日間、合計1,000問分やりました。国試1回で必修は50問あるので、1日で必修を4ターン解くイメージで、5日間です。1問1分くらいの時間を確保して解いてもらうので、学生自身もそんなに苦しんでいる様子は無かったです。むしろ、復習が必要なところを考えて、自分から問題を追加で欲しいと言ってくるようになった学生もいました。この期間が終わると1,000問の演習が終わっているので、学生は模試などを通して成果を実感できたようです。
今年も、「先生のテスト」で必修問題を出題して、数をこなして問題に慣れながら、成績をあげていけたらと思います。

「カスタマーサクセス看護」を活用して総合的な学生指導を実現したい
奥原先生

奥原先生

今年難しいと感じたのは、「10分テスト」などで問題演習はやっていたのに成績があまり伸びなかった学生についてです。今後の課題ですが、演習に取り組むときの実際のやり方の問題だと考えています。そうした学生には、具体的なやり方を聞いてフォローする必要があります。このツールをはじめ、データやAI技術はどんどん発展しているので、これらを活用することはもちろん重要です。でも、私たち教員は日々の生活の中で学生を見てるという自負があり、学生のニーズにあった教え方をするためには教員の知識や経験は大事だと考えています。技術に頼り切らず、活用しながら、総合的に指導していきたいと思います。学生の良いところを伸ばしながら、弱いところを補完できるように、今後も模索していきたいです。

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